さくら恵比寿堂店主・中井麻由美さん

事例紹介・芦屋市「さくら恵比寿堂」中井麻由美さん

事例紹介インタビュー

中井 麻由美さん

(さくら恵比寿堂・店主)

漢方薬とカフェのお店「さくら恵比寿堂」を兵庫県芦屋市で営業されている中井麻由美さんをご紹介します。

彼女は以前OTCを扱う漢方薬局に勤めておられ、その間に医薬品登録販売者資格を取得。4年前にコンサルティングをご依頼いただき、このお店のオープンを機に独立されました。

たくさんの方に漢方薬の良さを知っていただきたい、
医薬品登録販売者の可能性を広げたい。

さくら恵比寿堂店主・中井麻由美さん

さくら恵比寿堂店主・中井麻由美さん

- 独立開業を決められたきっかけは何だったのでしょうか?

医薬品登録販売者の資格を取得したときには、OTCと漢方薬を主に扱う薬局に勤めていました。

漢方薬を服用して見違えるように良くなっていく患者さんを見ているうちに、自分も漢方薬を学びたいと思い、漢方薬について勉強を始めました。

そのうち、自分の不調を自分の選んだ漢方薬で治せるようになり、漢方薬の効き目や良さが実感できるようになりました。

でも世の中にはまだまだ、漢方薬は長く飲まないと効かない、即効性がないなどの誤解が多く、私自身の体験から、漢方薬を知らないのはもったいない、もっとたくさんの方に漢方薬の良さを知っていただきたいと思うようになりました。そのためにはどうすれば良いか考えたときに、「独立」という思いが高まりました。

- 資格を取得されたことによって、視野が広がったわけですね?

「薬屋さんの書いた薬の本」

「薬屋さんの書いた薬の本」著者:赤木さえ子(神戸新聞総合出版センター)

そうですね。医薬品登録販売者の資格を取得しても薬剤師の補助としてしか使えないようではもったいないですし、この資格をもっと有効に活用したい、医薬品登録販売者の可能性を広げたいという思いもありました。

そんな時に、薬剤師の赤木さえ子先生の書かれた「薬屋さんの書いた薬の本」(神戸新聞総合出版センター)という本に出会いました。全体が素晴らしいのですが、私は特に「まえがき」「あとがき」から、登録販売者として仕事をしていく上での意味と、勇気をいただきました。そこで決心がついたのだと思います。

今でもときおり読み返しています。とても役に立つ良い本ですので、医薬品登録販売者、薬剤師の方にかかわらず、ぜひ読んでいただきたいです。

ほっと一息つけて安らげる時間と場所を
薬店にカフェを併設するアイディアに。

さくら恵比寿堂外観

一見して漢方薬店とは思えない「さくら恵比寿堂」の外観

- なぜ、漢方薬とカフェのお店を開業しようと思われたのですか?

薬局に勤めていた時に感じたのが、あわただしさでした。病院は患者さんであふれ、もちろん、その処方薬を出す薬局も混んでいます。体調のすぐれない患者さんは、いったいどこで一息つけるのだろう? 時間に追われた医師や薬剤師に気を遣って、聞きたいことも聞けず、言いたいことも言えないのではないか? と思いました。

そこに、医薬品登録販売者である私のすべき仕事があると感じました。

- それは、どんなことですか?

たとえば、お茶をゆっくり飲んでいるときってリラックスしませんか?
心がほっこりしますよね?

日々時間に追われて忙しく生きている方に、1日のうちのほんのひと時でも、ほっと一息つけて安らげる時間と場所を提供したいと思いました。それが、薬店にカフェを併設するアイディアにつながりました。

今では、ほとんどの病気の原因がストレスだと言われています。そのストレスに押しつぶされる前に、リラックスして肩の力を抜いていただくことによって、病気を遠ざける。これは、未病を治すという東洋医学の考えにもかなっています。

優しい雰囲気でゆったりとした空間。

優しい雰囲気でゆったりとした空間。店主とお客さまの距離も近い。

- 東洋医学的な考え方にもとづくカフェなのですね。

そうですね。カフェに来店されたときには疲れ切った表情のお客様が、お茶とおしゃべりを楽しまれた後は活き活きとした表情になり、元気に帰って行かれる姿をいつも拝見しています。

従来の漢方薬店にありがちな入店しづらい雰囲気を変えたい、という思いもありました。今のお店は、カフェを併設することで明るく楽しいイメージになっていますし、ちょっとお茶を楽しむついでに漢方薬店の雰囲気も感じられ、また、漢方薬が気になる方には健康相談にも応じることもできます。ですので、お客様にとっても気楽に質問できる雰囲気になっていると思います。

- 漢方薬とカフェという特殊な形態のお店ですが、開業までに特に大変だったことは何でしょうか?

私の場合、ただ漢方薬店を開業するというものではなく、カフェと薬店を同じ店舗につくるという珍しい店舗形態でしたので、保健所の方には何度もご指導をいただきました。私自身も、一つずつ段階をクリアしていくのが大変でしたが、今思えば、保健所の方にとっても難しい店舗だったのだと思います。

一人では途中で投げ出していたかもしれません。

一人ではできることに限界がある。
経験豊富なコンサルタントに頼ることは目標実現への早道。

打ち合わせの様子

開業までには丁寧な打ち合わせを重ねました。

- そのような中で、日野屋漢方堂の支援で良かったことは何でしょうか?

普通とは違うスタイルの店舗をつくるということで、保健所からの指導も一つクリアしたらまた次の指導というふうに、店舗の内装が当初予定していたものから大きく変わり、そのうえ経費もかさんでいくという、非常に困った状況でした。

そんな中、日野屋漢方堂には冷静に対処していただき、無理のない、しかも私には考えつかないようなアイディアで解決していただき、とても助かりました。

- 思わぬ事態にも対処できたということですね。

自分自身が初めて経験する事ばかりでしたので、経験のある方のアドバイスはとても助かりました。漢方薬やそのほかの一般薬の仕入れ先なども紹介してくださり、間に入っていただくことで交渉もスムーズに運び、とても心強かったです。

特に漢方薬では私自身で扱いたいメーカーを決めていたので、薬品業界の経験が長い日野屋漢方堂の仲介が無ければ、思うような漢方薬が扱えなかったかもしれません。

もちろんカフェの内容についても、いろいろと相談にのっていただきました。

- 開業されてみて今はいかがですか?

早いもので、今年で4年目になります。今は4年前の自分の勇気とチャレンジ精神を誉めてあげたいです。開業準備の時期から周りで支えてくださっている皆様にも日々感謝しています。

おかげさまで、ご利用してくださるお馴染みのお客様もずいぶん増えました。
自分の理想とする、お一人おひとりのお客様とじっくり向き合い、ときに寄り添いながら漢方薬を選ぶというスタイルも実現できています。
お客様からの「体調が良くなった」「調子いいです」という声が何よりも嬉しいです。
まだまだこれからですが、日野屋漢方堂をはじめ、周りの方々の支えと応援のおかげだと感謝しています。

一人では何もできなかったと思います。

さくら恵比寿堂の店内の写真

漢方だけではなく、ハーブを扱ったお茶や雑貨も多数揃っています。

- 今後の目標は何でしょうか?

お客様に寄り添う漢方薬店、ほっと一息つけるカフェを目指して、ますます精進していきたいです。

さくら恵比寿堂に行ったら元気になる、癒されるとお客様におっしゃっていただける、また実際にそうなるお店を創っていきたい、続けていきたいと思っています。

- これから独立を希望されている方へのメッセージをお願いします。

独立開業は本当に自分次第です。選ぶのも決めるのも自分以外にはいません。ただ、一人ではできることに限界があります。経験豊富なコンサルタントに頼ることは目標実現への早道だと思います。不思議なことに志が決まればおのずと周りの方が応援してくださいます。周りの方々に押し上げていただいて、目標の場所に立った時に見える今までとは違う世界を体感したいと思いませんか?

気持ちが決まっているのなら一歩踏み出してみてください。

「さくら恵比寿堂が日野屋漢方堂をお勧めする理由」

さくら恵比寿堂が日野屋漢方堂をおすすめする理由

店舗開業の際には、資金調達の方法から、店のビラ配りまで何から何までお世話になりました。広い知識と人脈をお持ちで、いつもこちらが求めている以上の答えを返してくださる心強いパートナーです。

経営に関してもファイナンシャルプランナーの資格をお持ちなので、いろいろな角度からアドバイスしていただけたのもありがたかったです。

独立開業してどのように収入を確保していくか知りたい方は、ぜひ日野屋漢方堂にコンサルティングを依頼してみてください。夢や理想があっても形にできなければ意味がありません。それを形にする手助けをしてくださる心強い味方が日野屋漢方堂だと私は思います。

さくら恵比寿堂 代表 中井麻由美

(後日談。コンサルタントをしていただいた事がご縁となり、さくら恵比寿堂の開業5年目に結婚いたしました。現在、日野麻由美でございます。)

「さくら恵比寿堂」店舗情報

住所:兵庫県芦屋市春日町
営業時間:午前11時から午後7時まで
定休日:月曜日